工作機械 IoT磨く 2015_10_21_日経産業新聞_転載

工作機械 IoT磨く

2015/10/21付
日経産業新聞_ 転載

ドイツが標榜する「インダストリ14・0」などIoTを活用した第4次産業革命で、工作機械は工場現場で中核となる役割が期待されている。工作機械メーカーはまず自らの工場でIoTを活用する。製造革新を進めるビジネスモデルを構築し、顧客企業のニlズに応えていく考えだ。DMG森精機の主力工場である伊賀事業所(三重県伊賀市)では、所長室や現場を管理する部長席に大型のモニター画面が置かれてい画面を見ると、色とりどりの四角いアイコンで埋め尽くされている。アプリケーションソフトが並んだスマホやタブレット(多機能携帯端末)の画面のようだ。画面は工場内に100カ所を超える組み立て作業場の仕事の進み具合を示している。緑のアイコンは作業中、黄は中断、青は出荷待ちの状態にあることを表す。スマホのアプリを開くように指でタッチして操作すると画面が大きくなって、詳細な加工情報や進捗状況を表示する。生産状況をモニターで管理できるように各工程には無線通信機器と携帯型の読み取り機、各作業工程を示したQRコード表を配備した。コードは「配線」や「配管」「精度検査」「電気調整」「カバーの取り付け」「製品検査」などの各工程にひも付いている。作業員は読み取り機で自分が担当する工程のコ1ドを読み取ってから作業に入る。
同社はこの仕組みを2015年7月までに完成させた。モニターには配線や配管、カバl(の取
り付け)などの各作業場で進行中の内容や作業の開始・完了予定日、進捗状況といった情報を表示する。標準的な作業時聞から著しく遅れている作業場が見つかれば所長らは多くの作業員に応援に行かせるなど生産効率を向上できる。作業現場にもタブレットを配置し、情報が見られるようにしている。
「誰がどこで何の作業をしているか」を管理できるようになった次は「誰がどこで何の作業をするか」を自動で指示できるようになれば作業の平準化がより進む。DMG森精機はこうした機能の開発も始めている。こうしたIoTの活用や自動化は他の工作機械大手でも進んでいる。ヤマザキマザックは大口製作所(愛知県大口町)を刷新し、工作機械に使う部品の加工で、人の代わりに高性能ロボットを活用し、自動加工を進めている。生産状況をディスプレーで確認できるシステムも導入を進めている。オークマは同年に愛知県大口町にある本社工場で工作機械を組み立てる新棟「DS(ドリームサイト)1」を本格稼働させた。最新鋭の生産管理システムを導入したほか、部品加工工程などを見直し、タブレットなどを用いて作業工程も見える化したのが特徴だ。
DMG森精機やヤマザキマザック、オークマは自社工場で生産改革をする一方、自社で生産する
工作機械に搭載するCNC(コンピューターによる数値制御)装置も進化させ、工作機械を通じたIoT対応のニーズに応えるようにしている。

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